ジェネリック医薬品の使用は臨床現場でますます一般的になってきている。 しかし,ワルファリンのように治療指数が狭い薬剤については,生物学的同等性の定義について懸念があるかもしれない。 ワルファリンの先発品と後発品を比較した臨床研究では,相反する結果が得られている。 そこで,各ジェネリック・ワーファリン製品の特徴をよりよく評価するために,文献のシステマティック・レビューを行った。 MEDLINE,EMBASE,学会抄録の電子記録,対象論文の参考文献リストなど,複数の情報源を検索した. オリジナルの研究で、経口抗凝固薬治療を受けている患者が登録されており、承認されているジェネリック・ワーファリンとブランド・ワーファリンを、少なくとも1つの臨床的、実験的、管理的な結果で比較している論文を関連論文とした。 対象となったのは4万人以上の患者を対象とした11件の試験で、そのうち5件は無作為化比較試験、6件は観察研究でした。 ワルファリンの代替製剤に切り替えた後の国際標準化比(INR)の平均値の差を評価した3つのクロスオーバー試験では、無作為に先発品または後発品に割り付けられた患者の間に、統計的に有意な差は認められなかった。 他の2つの無作為化試験では、先発ワルファリンとジェネリックワルファリンに切り替えた患者の間で、投与量の変更の大きさや回数に有意な差は認められなかった。 観察研究の結果はより矛盾しており、ワーファリンのジェネリック製品によって異なる特徴があることを示唆している。 これらの観察研究では,ワーファリンの後発品への切り替え前後の抗凝固療法のコントロールを比較した研究では,治療域に入っている時間,血栓塞栓症や出血性合併症の発生数は同程度であった。 しかし,1つの観察研究では,ジェネリック・ワーファリンへの切り替え後の治療的INRコントロールの変化が,個々の患者レベルで報告されていた。 今回のシステマティックレビューの結果から、ジェネリック・ワーファリン製品は、先発品と同等の安全性と有効性を有している可能性があり、患者はこれらの製品で安全に治療を受けることができると考えられる。 しかし、ブランドを変更する際には、個人のINR反応にばらつきが見られる可能性があるため、より綿密なモニタリングを行うことが妥当であろう。