パラベンフリーをうたうメーカーが増えてきました。ドラッグストアなどでも、パラベンフリーをうたうパッケージを見かけます。
フェノキシエタノールとは？
フェノキシエタノールは、フェノールをエチレンオキサイドで処理するという複雑なプロセスで製造される合成保存料です。 フェノールは弱酸性の白色結晶性固体で、天然物や化学物質から得ることができます。 エチレンオキシドは無色の気体または液体で、発がん性があるとされています。
フェノキシエタノールの安全性についての考察
フェノキシエタノールのMSDS（製品安全データシート）には、皮膚や肺に刺激を与えると記載されています。 また、腎臓、神経系、肝臓への毒性があり、繰り返し長期に渡って暴露されると臓器障害を引き起こす可能性があるとしています。 吸入、皮膚への接触、摂取により毒性が発生することが記載されています。 MSDSに記載されている毒性は、防腐剤を原液で使用した場合のものであり、フェノキシエタノールを大量に使用した場合の毒性については科学者も認めています。
議論の対象となるのは、化粧品などの一般的な製品に含まれる低用量の場合です。 International Journal of Toxicology誌に掲載された研究では、化粧品に使用されているフェノキシエタノールの割合は低く（一般的には2％以下）、安全で無害であると主張しています。 しかし、化粧品成分に関する欧州委員会では、フェノキシエタノールを唇や口の周りに塗ると毒性があると規定しており、気になるところです。 また、FDAは、フェノキシエタノールを含むブランドのニップルクリームの使用について、乳児に嘔吐、下痢、脱水症状、中枢神経系の障害を引き起こす可能性があるとして、授乳中の母親に警告を出しました。
美容製品におけるフェノキシエタノールの安全性の結論は？
フェノキシエタノールを含む美容製品の使用による長期的な影響については、さらなる研究が必要です。 一方で、フェノキシエタノールの経口摂取については、欧州委員会やFDAが懸念を表明しており、その安全性について懐疑的になるのも無理はないでしょう。 特に、フェノキシエタノールを含む美容製品の多くは、唇や口の周りに塗布されることが多いことを考えると、その安全性は気になるところです。
フェノキシエタノールを含む美容製品の見分け方
フェノキシエタノールを含む製品を避けようと思ったら、いろいろな名前の製品を見分ける必要があります。 2-ヒドロキシエチルフェニルエーテル」や「2-フェノキシエタノール」など、見た目が似ていてわかりやすい名前もあります。 しかし、ローズエーテルのように、少し難しい名前もあります。 さらに、防腐剤の種類をラベルに記載していないメーカーもあるので、注意が必要です。 また、フェノキシエタノールは香料としても使用されることがあり、メーカーによっては「香料」と表示している場合もあります。 そのため、「香料」と記載されていても、その種類が明記されていない場合は、フェノキシエタノールの可能性があるので注意が必要です。
フェノキシエタノールのような防腐剤は、美容製品の保存期間を長くするために必要かもしれません。 問題は、その保存期間の長さが、健康上のリスクに見合うかどうかです。
フェノキシエタノールの影響が明らかになるにつれ、長持ちはしなくても、安心して使える美容製品への転換が必要になってくるかもしれません。
あなたはフェノキシエタノールを含む製品を使いますか？