Articles

QoSの基礎知識

Posted on

IPネットワーク上で十分なQoS(Quality of Service)を提供することは、今日の企業のITインフラにおいてますます重要な要素となっています。 QoSは、ネットワーク上での音声やビデオのストリーミングに必要なだけでなく、拡大するIoT(Internet of Things)をサポートするための重要な要素でもあります。

QoSはなぜ重要なのか?

ネットワーク上で動作するアプリケーションの中には、遅延に敏感なものがあります。 これらのアプリケーションは一般的に、TCPプロトコルではなくUDPプロトコルを使用します。 時間に敏感であるかどうかに関するTCPとUDPの主な違いは、TCPは転送中に失われたパケットを再送するのに対し、UDPは再送しないことです。

しかし、IP電話などのUDPアプリケーションでは、音声パケットは順序付けられたストリームとして送られてくるため、パケットの紛失は再送できず、パケットの再送は無意味です。 このため、UDPプロトコルを使用するアプリケーションでは、パケットの紛失や遅延が大きな問題となります。 音声通話の例では、数個のパケットが失われただけでも、音声品質が途切れて意味不明になってしまいます。 さらに、パケットはジッターと呼ばれるものにも敏感です。

ネットワークに十分な帯域幅があり、処理能力を超えてバーストするようなトラフィックがなければ、パケットロス、遅延、ジッターの問題は発生しません。 しかし、多くの企業ネットワークでは、リンクが過度に混雑し、ルーターやスイッチが処理能力を超える速さでパケットを送受信してドロップし始めることがあります。 このような場合、ストリーミング・アプリケーションに悪影響を及ぼします。

QoSの仕組み

QoSは、ネットワークインフラにおけるパケットロス、遅延、ジッターの管理に役立ちます。 限りある帯域を使って仕事をしているので、まず最初に、どのようなアプリケーションがこの3つを管理することで利益を得られるかを特定する必要があります。 ネットワークやアプリケーションの管理者が、ネットワーク上の帯域幅を優先する必要のあるアプリケーションを特定したら、次のステップはそのトラフィックを特定することです。 トラフィックを識別またはマークする方法はいくつかあります。 CoS(Class of Service)やDSCP(Differentiated Services Code Point)はその一例です。 CoSはレイヤー2のフレーム・ヘッダーにあるデータ・ストリームをマークし、DSCPはレイヤー3のパケット・ヘッダーにあるデータ・ストリームをマークします。

データストリームを異なるグループに分類できるようになったことで、その情報を利用して、あるデータストリームを他のデータストリームよりも優遇するために、それらのグループにポリシーを設定することができます。 これはキューイングと呼ばれています。 例えば、音声トラフィックにタグが付けられ、リンク上のネットワーク帯域幅の大部分にアクセスできるようなポリシーが設定されている場合、ルーティングデバイスやスイッチングデバイスは、これらのパケット/フレームをキューの先頭に移動させ、直ちに送信します。 しかし、標準的なTCPデータ転送ストリームに低い優先順位が付けられている場合、送信に十分な帯域幅が確保されるまで待ちます(キューに入れられます)。

QoSの使用例

前述のように、QoSの最も一般的な使用例は、音声およびビデオストリームです。 しかし、特にIoTが普及し始めた今、他にもたくさんの例があります。 例えば、製造業の分野では、機械がネットワークを活用して、発生している可能性のある問題のステータス情報をリアルタイムに提供し始めています。 問題の特定が遅れると、製造上のミスが発生し、毎秒数万ドルのコストが発生します。

別の使用例としては、スマートビルディングやスマートシティなどの大規模なIoTプロジェクトのために、さまざまなスマートセンサーを蒸散させることが考えられます。 温度、湿度、位置認識など、収集・分析されるデータの多くは、非常に時間に敏感です。

私たちの接続ニーズが個人の生活やビジネスのあらゆる側面に拡大し続ける中で、効率的な運用のために特定のデータストリームが他のデータストリームよりも優先されるようにするという意味で、QoSはますます重要な役割を果たすようになると言ってもよいでしょう。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です