この患者さんは、右内頸動脈が突然閉塞し、左下顔面・腕・脚の麻痺、左側の感覚の喪失、視力障害、左側の無視などの極度の障害を抱えていましたが、数年間生存しました。
血栓の形成は、血流が滞っている場所でも起こり、凝固因子が蓄積され、血小板が付着しやすくなります。
血栓とは、多くの場合、血栓の一部が遊離し、血流によって脳に運ばれたものです。 血栓塞栓症という言葉がよく使われるのは、ほとんどの塞栓が血栓から生じることがわかっているからです。 しかし、プラークのかけら、脂肪、気泡なども塞栓物として認められます。 塞栓物は、おそらく血液の流れに沿って浮遊していますが、動脈の狭窄部に遭遇して通過できなくなります。 塞栓物が詰まってしまうと、動脈を塞いでしまいます。
脳への塞栓物の3つの重要な供給源
- 病んだ心臓の中で最初に形成された血栓
例えば、心房細動で見られる不規則で効果のない心筋の収縮により、左心房に血液が溜まり、血栓の形成が増加しています。 - 心臓弁に形成された血栓
これは左心に多く見られますが、これは僧帽弁と大動脈弁がより高い圧力で閉じられるためです。 通常、弁を覆っている内皮が損傷すると、その下の組織が露出し、血栓形成性が高くなります。 心臓弁にできた血栓は、「ベジタブル」と呼ばれることもあります。 - 頸動脈や椎骨動脈の頭蓋外または頭蓋内に形成された動脈硬化性プラークに関連した血栓
血栓の一部が折れ、流れている血液によって同じ血管内のより遠位に運ばれます(これは動脈間塞栓症と呼ばれることもあります)。
発生源にかかわらず、塞栓は太い動脈や枝に詰まって、そこから先の血流を遮断することでダメージを与えます。
塞栓物質がどこに移動し、最終的にどこに留まるかは、太い動脈の直径や枝分かれのパターンが大きく関係しているようです。 例えば、中大脳動脈は直径が大きく、緩やかにカーブしており、血流が速いため、塞栓症のリスクが特に高く、脳のどの部位にも塞栓症のリスクがあります。 一方、内頸動脈から鋭角に出ている小さな前大脳動脈は、塞栓物を捕捉する頻度が低いのですが、塞栓物はどうも角が立たないようです。